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Friday, May 16, 2008

演習IVへのブログ導入について

このゼミの主な目標は卒業論文を仕上げることです。この目標を達成するためには、資料収集、資料の整理や分析、文章作成等をこつこつと進めることが大切です。従来、ゼミ生に「こつこつと」取り組んでもらうためには、春学期と秋学期のレジメ作成と口頭発表、12月に下書き提出、1月に書き直しと再提出という段取りでゼミを進めてきました。しかし、近年は、就職活動等もあって、普段からあまり「こつこつと」卒論の準備を進めない人が増えています。そういう学生はぎりぎりになって論文を仕上げるはめになってしまいます。ぎりぎりになって書かれた論文の質に問題がなければ「卒論」として認めて、単位認定はできますが、困ったことにそういう卒論には重大な欠陥があるケースが多くなっています。

そこで、今年からゼミ生全員にブログで普段の勉強の記録を作ることを義務づけることにしました。義務ですので、普段からブログで勉強の記録を作らない学生については原則としては卒論を受理しない方針です。

ブログには次のようなことを書いてもらいたいと考えています。
  • 集めた資料の記録

  • 論文の中では必ず出典を明記することになります。後々、論文に注などを付ける段階では、必要な情報が全部ブログにあるとその分だけ論文をまとめるのが楽になると思います。注の書き方については改めて別のポストでこのブログで書きますが、ここではごく簡単にどのような情報が必要になるかを書きたいと思います。

    • 本の場合

    • 著者名『本の題』出版社、出版年、該当するページ。

    • 雑誌に掲載された論文の場合

    • 著者名「論文の題」『雑誌名』何巻何号、年月日、該当するページ。

  • それぞれの資料に関するメモ

  • 上の「資料の記録」の後に、資料にあった内容の中で、特に重要と思われる内容を書き込んでください。注には「該当するページ」を書くことが必要になりますので、ブログの中のメモと一緒にどの内容が本や論文の何ページにあったかを書いてください。「資料に関するメモ」として次のようなものが考えられます。

    • 要約

    • すべての内容を要約する必要はありませんが、特に自分の論文をまとめる上で重要と思われる事柄を自分なりの表現で要約すると良い。「自分なりの表現」で書くことが大事です。論文の中では文字通りの引用を使うことは比較的少なく、自らの表現で論じていくことが基本ですので、ブログでも内容を「自分なりの表現」で書くのがいいです。「自分なりの表現」と言っても、もちろん、専門用語等はそのまま利用するのが自然ですが、通常は資料の丸写しをしないというのは大事なポイントです。

    • 資料に関する感想、疑問など

    • 手に入れた資料は参考になっているのか、説得力があるのか、理解しにくいかなどについてもブログで書いてください。具体的な質問があれば、それも書いてみると良いでしょう。質問を文でまとめてみることは疑問を解く上で大事な一歩です。なお、本や論文等を読んでいて「ひらめき」があることがあります。資料に書いてある訳ではなくとも、資料を読んでいて思いついたことなどを忘れないうちにメモることは大切ですので、そういう「ひらめき」もブログに書きましょう。

    なお、それぞれの資料の中に参考になるところが多ければ、当然一回のポストで全部書くことができません。そうした場合は何回かに分けて、少しずつ書くといい。ただ、毎回、ポストの冒頭に資料に関するデータ(つまり、著者名、題など)を書いてください。

  • その他の感想、疑問等

  • 論文作成は大変です。行き詰まったり、戸惑ったりすることは普通です。一人で心の中で悩むよりブログの中で、その思いを文章にしていってほしいと思います。文でまとめること自体は皆さんにとって有益だと思いますし、私はその文を読んでアドパイスができる場合があると思います。

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